林源太・香のうるし展 奈良 五風舎/2023.12.4追記
林源太・香のうるし展
奈良 五風舎
2023年11月22日(水)〜11月27日(月)
11:00~17:30 会期中作家在廊
古都 奈良での展示会、おかげさまで無事終了致しました
遠くからお近くから御覧下さった皆様、またこのHPやInstagramで御覧下さった皆様、心から御礼申し上げます
今年は紅葉の進み具合が例年よりもゆっくりめだったこともあり、五風舎のお庭から眺める景色や、一刻一刻、けれども穏やかに色を変える紅葉たちが、在廊する私達の目を楽しませてくれました
搬入日から搬出日まで、毎日徐々に変化していく秋の色彩のグラデーションを堪能しつつ、会場へおいで下さった皆様とのお話しを伺って過ごす展示会のひと時は、私達にとっても癒しの時であり、次に繋がる感性に磨きをかける時でもあり、ものの作り手として励みを頂戴する時でありました
東大寺旧境内にあるギャラリーということで、前回よりも格段にツーリストの方が増えた印象の五風舎展でしたが、アジア系の方よりもヨーロッパ圏内の方々にお目にかかる機会が、去年よりもぐんと増えたように思います
漆という木が生えない地域の方々に、英語で漆器や木の種類を説明する難しさを実感したり、逆に説明している私達も漆というものを改めて新鮮な目で見直すことが出来たりと、貴重な機会を頂きました
築150年を超える五風舎の建物は、古く独特の静寂さを保つ空間ですが、ヨーロッパ圏ツーリストの方々がそこへ入るには、鴨居に頭をぶつけないよう気を付けて頂く必要が多々あって、つたない英語でplease pay attention.と冗談めかして頭を指してお伝えすると、皆さんうなずいてtoo tall.とご自分を指して笑って下さるやりとりを幾度かさせて頂きました
また五年前に五風舎の展示へ来たことがあるという中国の青年が、今回も五風舎のオーナーさんへ会いに、日本に到着して真っ先に来て下さった事も、私達の心を温めてくれた出来事でした
その時その時で展示している作家は違えど、4時間前に日本についてすぐに奈良へ向かってくれたそうで、その日ご不在だったオーナーご夫妻へどうぞ宜しく伝えて欲しいという彼の言葉に、私達も大変嬉しい気持ちにさせてもらえましたし、展示していた漆器についてお話ししている中で、気に入ってくれた作品たちが幾点か彼の元へもらわれていったことも、一期一会という言葉そのままに、ありがたいと思えた出会いの一つでした
奈良の展示会は、毎回お越し下さるお客様ともお目にかかる楽しみな機会でもあります
皆さんとのお話はお花や陳列の勉強になりますし、また奈良で活動されている他作家さん達とのお話もとても実になるものばかりで、本当に充実した時間でした
また一日在廊していますと、夕方から夜にかけて、この時期だけの鹿の妻問いの鳴き声が聞こえてきますし、歩いてほんのすぐの東大寺からでしょうか、鐘の音が響く夕暮れ時が、とても心地良く心落ち着くものでした
豊かな時間を頂けたことに感謝しつつ、さて次回は二年後の予定です
五風舎の、時が静かにゆったり流れるあの豊かな空間を満たす作品を、また皆さんにお目にかけられるように、今後も制作に頑張っていきたいと思います
最後になりましたが、今回も五風舎オーナー御夫妻をはじめスタッフの方に細やかなお心遣いを頂き、大変お世話になりました
心から御礼申し上げます