子供の頃からレゴや工作が好きでした。
そのため、作品の構想をおこす際には立体的な発想を元にする事が多いです。

一般的に漆芸の世界は分業制で、木地師、塗師、蒔絵師と工程ごとに分かれていますが、自分の思い描く形を一から作り上げるため、木地作りから上塗りまで一貫して制作することを基本とし日々励んでいます。

漆には19歳の頃 出会いました。以来、その魅力に囚われ続け今に至ります。


■経歴

 1969 大阪府生まれ

 1992 京都市立芸術大学美術学部漆工科卒業

 1994 同 大学院漆工研究科修了 

      京都市左京区松ヶ崎に工房を構える

 1996 大阪現代クラフトギャラリーにて個展

 1998 大阪府豊中市に工房を移転

 2011 NHK「猫のしっぽカエルの手 ベニシアの手づくり暮らし」出演 

 関西・福岡・金沢・名古屋を主に個展を開催


■作品について

【漆】

主に中国産の漆を使用。長く漆を使っていますが、日本産、中国産の漆の違いは良質の物であればそれほど変わりは無いように思います。それよりも漆屋さんが精製する漆そのものが自分に合っているか否か、その性質が堅牢か否かを重視するようになりました。

ここ数年は福井県の箕輪漆行から取り寄せています。また一部上塗りなどに日本産の漆を使用する事もあり、二つの漆の性質をブレンドする事で自分オリジナルの漆にしています。

【木】

これまで入手してきた木材で工房にストックしてあるものを何年も乾燥させ使用しています。

固定の木材にとらわれず、木の持つ風合いをそれぞれに活かした作品作りをしたいとの思いから多種にわたる木材を使用しています。

【作品】

 自分の思い描く形を追求したいとの思いから、木地作りから上塗りまで一貫し、基本ひとりで制作しています。

但し、カトラリーなどの木地は全国の産地から、お椀やお皿など決まった形の木地などは石川県山中の木地師さんへ依頼し取り寄せています。

大学院時代から研究を重ねてきた江戸時代から伝わる伝統技法の変わり塗りをひとつのベースとして、より多彩で堅牢な器作りを目指しています。毎日の暮らしに寄り添う普段使いの器から、特別な日に大切な人たちと楽しめる器まで、使う人の心に寄り添う作品を作っていきたいと思っています。