林 香が制作する漆アクセサリーです。ひとつひとつ手彫りで木地から手掛けています。使用する木材は朴、栃、桜など。糸鋸で切り出し、彫刻刀で木彫を施した木地制作から上塗りまで、一貫した制作をしています。
■2025年春の新作■
・雫のイヤリング 玉虫赤/拭漆/緑檀塗
・カモミールのペンダント 拭漆螺鈿



・漆リング
・いびつハートのペンダント 拭漆/白/本朱/赤口/玉虫赤/緑檀塗






■漆のアクセサリーを製作するに至るまで■
私が漆芸に関わりだしたのは、夫と家族になってからです。美大卒ですが学部は美術学部ではなく人文学部というところでしたので、美術専門の学術や実技をきちんと学んだことはありません。ひょんなことからこうして夫と家族になり、まずは夫の仕事を手伝う形でこの道に足を踏み入れました。その手伝いの傍ら、私ならこんなのを作るなあと、自分でデザインした漆のアクセサリーを手掛け始めてから随分経ちます。始めた当初は育児を最優先に制作をする形態でしたので、夫の展示会の片隅に工房作品として漆のアクセサリーがあったりなかったり、という変則的な展示であったかと思います。そんな中で、ふとお客様から、今回の展示にアクセサリーはないの?とありがたいお言葉を頂戴することがたびたびあって、門前の小僧の心に灯火がともった次第です。
ふいに”木工と漆を教えてくれ”と言い出したほぼ素人同然の妻に、漆の1から10までを根気よく教えてくれた夫には、感謝しています。
美術の学問を修めた訳でもなく、漆芸の研鑽を積んだ訳でもない私の目に映る漆の世界は、大変想像以上に広く奥深く、ほぼ独学の木彫のスキルもいまだに試行錯誤です。まだまだ手探りを続ける日々ですが、自分にとっては夫の仕事を手伝う日々がすなわち漆を学んだ年月で、そこから自分の世界観を広げ、自分の感性を頼りに、”表現”という贅沢な仕事をさせてもらっている事に有り難さを感じます。また今後も更により良いものを作りたいとの想いは深まるばかりです。
本物の漆だけが持つ色、艶、手触りの柔らかさを備えた漆のアクセサリーを身につけることで、皆様が日々の楽しさや幸せを深めていただけたら嬉しいです。今日はこのブローチで出掛けよう、今日はこのペンダントと一日を過ごそう、そんな軽快な気持ちで、皆様の日常の暮らしに寄り添える漆アクセサリーを製作できたら、という気持ちです。
/林 香




































