工房で働くことの出来る漆芸見習いの方を募集をします。
私もそうでしたが、作家として生活出来ている作家はその手にもちろんのこと技術が有り、その技を盗むことが若い職人さんの成長できる近道でもあると思います。
漆で生計を立てるということはとても大変で並大抵のことではありませんが、
私が培ってきたノウハウや技術をできうる限り若い職人さんの世代へ伝えていきたいという思いから、
この度 漆芸見習いの募集をさせていただいた次第です。

█期間は4年間を一区切りとし、修行期間と定めます。
漆芸は技術習得・道具作りに相当時間がかかります。
私の工房では労働時間も多いわりに給料が少ない分、常識枠の範囲での精度の要求、失敗なども問いません。ただ、下地付け(ヘラ使い)の作業は、ある程度習得出来るまで、ご自宅での宿題を出す場合があります。
「好きこそものの上手なれ」という精神で、ただただ漆芸が好きで一生懸命仕事に取り組む姿勢をお持ちの方の応募をお待ちしております。
それを受け、工房の見学・作業体験(複数回可)を随時受け付けております。私の工房で働きたい意思のある方は、まずこの作業体験にいらして下さい。

█作業体験の流れ
①来房予定日をメールで、簡単な自己紹介も含めてお知らせ下さい。いくつかの質問に返答していただきます。
私も不在の場合がありますので、作業体験日程の調整をいたします。
交通費は自己負担・作業代は無し。朝10時〜夕方5時まで作業が出来る日のみ来房下さい。(作業によっては、早く終わる場合もあります。ご自身の作業服、ヘラ、刷毛、塗師屋庖丁などは持参)
②作業体験等の結果、私の所で働きたい意思を強くお持ちになった方は履歴書を添えてその意思をメール、封書、電話等で伝えて下さい。再度工房に来ていただき、詳細を検討します。遠方の方で、どうしても来られない方は、メールや封書・電話で、働きたいと思う強い意思を示して下されば対応いたします。
仕事がうまくできるか出来ないかは、問題では有りません。漆が好きであることと、作業に集中できて、4年の間、見習いとして耐えうる精神力があるかどうか、ご自身のご判断にお任せします。
③多数応募がある場合、その旨通知した上でこちらで判断のもと、合否をお知らせいたします。
④残念ながら不採用者のあった場合も、お望みであれば漆に関するアドバイスを今後優先的にさせていただこうと思います。

応募資格

・職業訓練校卒(漆芸科コース2年以上)、漆芸科コースのある大学校卒、もしくは同等の経験者。
・年齢 18才〜35才程度まで
・性別は問いませんが、時々大きく重たいテーブルを一階〜二階まで搬入出することがあるので力の有る方。
・4年間修行を続けられ、将来、展示会等しながら漆で生計を立てたい方。
・漆が好きで好きでたまらない方。特に下地付けの能力向上、ヘラや刷毛に興味を持ち、道具にこだわりがある方。長時間座って、同じ作業をしても我慢できる忍耐強い職人気質な方。
・喫煙者不可。
・失礼ながら借金が無い方。この仕事に関して借金してまでやるという形では継続できないと考えています。(ただ、ご両親等に出世払いで、というような借り入れは問題有りません。私もかつて両親から援助してもらった返しきれないたくさんのお金やものを未だに抱えています)
・給与が初めの2年間はとても少ないので、健康保険に関してご両親の扶養家族に入れる方、国民年金も親に負担してもらえるか、年金免除を選択できるなど、ご家族に応援してもらえる方。(私自身も、大学院終了後6年間は健康保険は親の扶養で、年金も支払ってもらっており、なおかつ仕送りもしてもらいました。)

修行期間

4年間

給与

1年目:8万円(2ヶ月間は試用期間)3ヶ月目から8.8万
2年目:10万円
3年目:12万円
4年目:12万5千円+ボーナス5万円/6月・12月
5年目:独立または相談
交通費支給は無いです、工房近辺にお住まい下さい。→親戚所有の物件が格安で借りることが出来ます。
試用期間中、仕事に対する意欲が見受けられない場合、採用取り消しにすることがあります。
2年目以降は源泉所得税等かかります。3年目以降は住民税もかかります。
その他どうしても必要な生活費等は相談して下さい。収入がマイナスになるほど切り詰めた生活は作業にも影響するので、出来るだけよい方向に向かうように出来る範囲で努力します。1、2年目はご両親の扶養家族などに入って頂きたいです。3年目以降は国民年金・国民健康保険等に加入お願いします。3年目以降は各自確定申告して頂くことになりますが、簡単な様式です。
4年目以降: だいたい3年間で技術はほぼ習得出来ると思いますが、4年目は礼奉公(1年間)とお考え下さい 。 その分目指す分野にむけバックアップしたいと思います。仕事をしてもらいながら、空いた時間に、道具、ムロ等作り、最終的には展示会が出来るレベルまでに手助けしたいと思います。

仕事内容

・乾漆器作成
・カトラリーの木地を削る木工素地作りや、木目をみせた拭漆
・スプーン/お箸等のカトラリー、お椀などの器・皿類、箱物、家具、額、特注品等の下地付け、砥ぎ、中塗り
・古漆器の再生・修理、陶磁器の金継ぎ
・主に私が木工で作る全ての作品の下塗り、下地、中塗り
・展示会前の作品写真撮影アシスタントや、簡単な作品の寸法などのパソコン入力(2〜3回/年)。
・希望があれば、展示会で作品販売手伝い。(将来的にお客さんとのコミュニケーションは重要です。)
・今まで何人か、私の所から巣立っていった方がいます。現在も一人修行して頂いている若い方がいまして、来年3月末に独立予定です。私の工房では、漆器の工程全てを教えますので、不得意の分野も出てくるかと思います。特に下地付け(ヘラさばき)は重要で、なかなか習得が難しいです。宿題も出す場合もありますが、あまり一喜一憂せず、出来なくても、いつかは出来るようになるという精神で負けずに頑張ってほしいと思っています。 最近は、その出来ない分野が合っても、逆に塗りに工夫を凝らしたりして新しい技術を生み出すこともあって、二人でより良い環境を作って行くことが重要だと思っています。
・ここで学んだことを、土・日に家で実践して、技術習得するような方が、一番の独立の近道だと考えます。ただ、言われたことをするだけでは、なかなか独立出来るレベルには達成できないと思います。