濾し器と刷毛洗いを新調しました/2022.9.25
漆の濾し器と刷毛洗いの3セットづつを、自作しました
ちょうどリビングの一角にある妻の小規模な仕事机を一新して、簡単な金継ぎやアクセサリー制作を存分にやってもらうため、色々と道具や設備を揃えているところでしたので、この際まとめて塗部屋と妻用と漆見習いにきている子の分の三つを、それぞれ作ることにしました
以前の濾し器と刷毛洗い箱は、共に学生時代に自分で作ったもので、かれこれ30年近く使い続けてきた、いわば相棒みたいな道具です
両方ともまだまだ充分に現役なのですが、何しろ学生の頃に作ったものですので、今となってはここをこうしておけば良かった、あれもこうすれば良かったなど、いくつか後々気付いた改善点があった事も確かです
まずは濾し器↓↓↓
漆に含まれる余分なゴミや不純物を取り除くために、吉野紙で幾層に包んだ漆をねじって漉すための道具です
吉野紙の片端を固定して反対側をねじって漆を落としていき、その下には漉された漆を受ける陶器の鉢を置いておきます
新しく作った濾し器の改良点は、ここ!!(三枚目写真)三つの穴をスライドさせ幅を調節できるようにしたところです
穴の裏にスライド固定のため差し込む部品も自作です笑
次は刷粗い↓↓↓
漆刷毛で漆を塗った後は、油で漆を落とし、油の塗膜で漆成分の凝固から刷毛を守って保存します
そうしないと刷毛に付いた漆が空気中の水分などと反応し、刷毛ごとガッチリ固まってしまうからです
塗りの作業後は必ず使った刷毛をこの刷毛洗いで綺麗に洗って仕舞う、必ず使用する道具のひとつですので、作っていても愛着が湧きます
この濾し器も以前のものから改良しました↓↓
手前の大きなスペースには洗い終わった汚れた油が入るのですが、学生時代に作った刷毛洗いは箱ごとひっくり返し、汚れた油を捨てなければならず、メンテナンスに手間がかかっていましたが、新調した刷毛洗いには、その汚れた油を箱をひっくり返さなくても廃棄できるように穴を開け、ゴム付きネジで栓をするように作りかえました
この刷毛洗いは木地ですが、今は下地をつけ漆を塗っています
制作の為の、使いやすい道具を一から自分で作る、これもまた、ものづくりに携わる一人として、とても大切なことかと思っています
新しく作った濾し器と刷毛洗い、同時に三つづつも作ることになるとは思っていませんでしたが、これでまた新しい仕事の相棒が増え、それぞれ制作のパフォーマンスを上げて行きたいと思っています