わっ片口屠蘇器揃/2024.7.27

梅雨が明けると暑い夏の到来ということで、本日も気温湿度高めの一日ですね。。。皆様お身体の調子など崩されていませんでしょうか?

日中の陽射しが和らぐ夏の夜、虫の音に耳を傾けつつ、涼しいお部屋で冷酒など召し上がり、心も体も落ち着かれるのもまた良いものかと思います

本日はそんな夜のお供にふさわしいかなと、わっ片口のご紹介を

読んで字の如く、わっ片口。。。わっかたくちです

輪っかと片口。。。ご説明するのもちょっと何だろう。。。と思いますが、形状と用途からこのような名称となっております。。。もちろん作家命名です

屠蘇器一客、専用酒盃五客、注水用片口一客、専用盆一客の揃いとなっております

屠蘇器の写真を御覧頂くと不思議に思われるかと思うのですが、一般に片口用途の器は口が開いているものが多いかと思います。。。が、これには注ぎ先の口しかありません

そこで冷酒なり冷茶なりを、まず最初に入れるのはどこからなのか???ということで、分かりづらいかもしれませんが、お写真を撮りました

片口本体の持ち手の付け根にあるストッパーを外して、上側にある穴へ差し替えます

すると固定されていた片口の上半分と下半分の本体が、ストッパーが外れたことによりクルリと回転するようになり、合わさっていた上下部分が分かれる仕組みとなっています

念のため。。。ちなみにストッパーも本体も全て木製、木地から上塗りまで一貫した漆塗りのものです

そして更に作家一押しなのは、この片口で冷酒をお飲み頂いている途中で、もう一度中身を継ぎ足したい時には、またもう一回わざわざ上下をぐるっと回して外していたりすると、せっかくの興が削がれるということで、継ぎ足しようの覆い口も備え付けました

持ち手の手前にあるカバーを開くと注水用の穴があり、またそこへお酒を継ぎ足すには、そこそこ口の長いちろりのような注水器も必要、、、ということで、わっ片口の幅を跨げる口の長さを持つ専用の注水器も付属しています

とはいえ、初めからくるりと回転させて本体を開くよりも、この注水口から注いでおけば良いのでは?ということになるのですが、そうすると使用後に洗う場合不便かと思われますので、やはり本体を開けて内部を洗えるような作りになっております

晴れやかなお祝いの席に、また親しい人とのとっておきのお時間に、またはお独りの贅沢なお時間に、遊び心ある楽しい酒器揃いになったかと思います

使う方の楽しさ、驚きを含んだ笑顔を思い浮かべながら制作しました

今後もまたこのような作品を作っていきたいと思っております

(注:2024年7月時点で申し訳ありませんが既に売却済となっております)